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口腔(内)装置治療(2)
Lip Plate・CM床装置・他の装置の紹介

口唇閉鎖機能の障害に対するプレートの効果

口唇閉鎖機能の障害があると?

口唇閉鎖機能は,口唇音(マ行,パ行,バ行)の発音だけでなく,食べ物を咀嚼したり飲み込むときにも重要な役割を担います.口唇機能が低下すると以下に示すような様々な症状がでます

口唇音の発音が不明瞭になります
咀嚼時や嚥下時の食物が口の外にこぼれます
唾液が常時口から外へ流れ出る(流涎)ようになります.
口唇音の発音が不明瞭になります.

Sander, EK. :

J Speech and Hearing Disorders,

1972, 37:54-63.

 本来口唇音は,生後に最も早く獲得される音です(右図),通常は容易に表出できる音で,Sanderさんによるとm→b→pの順に獲得するとしています.

 日常会話文中での口唇音,とくに破裂音pは少ない出現ですが,障害されると明瞭度は大きく歪みます.バナナ→ファナナ,パパ→ファファ,プリン→フリン,バス→ファス,ベッド→フェッド,ベントウ→フェントウ,等,さらに鼻音であるマ行音では,鼻腔にも呼気を抜いた状態で発音しますので,より明瞭度は低下します.

 ほとんどコミュニケーションができない状態になります.これに口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖不全症が合併した場合には顕著なコミュニケーション障害となります.

咀嚼時や嚥下時の食物が口の外にこぼれます

 咀嚼中,舌は前後上下左右に運動して食物を嚥下できるように処理します.この時,食事量と物性(言わば「粘り」)が大きくなると舌と口蓋との間の圧力は高くなります.食物を嚥下する場合,消化管は蠕動運動を行うことで,食塊を,口腔→咽頭→食道→胃に送り込んでいます.この過程での消化管内の嚥下圧は,口唇閉鎖圧が最も高く胃の方に向かうにつれて低下していきます.これが逆転すると食塊は逆流します.

 すなわち,口唇閉鎖圧の低下は,食塊が口からこぼれるだけでなく,送り込みができなくなることで嚥下障害となります

咀嚼時や嚥下時には,食塊を後方に送るために,
口唇閉鎖圧は最も高くなります.
それにより,口の外には食物は流れ出しません.

口唇閉鎖圧が舌と口蓋の圧迫圧より低くなると,
口の中の食べ物は口の外に漏れ,後方への送り込み圧も低下するためうまく嚥下できなくなります.

唾液が常時口から外へ流れ出る(流涎)ようになります.

唾液の分泌量は,年齢によっても若干異なりますが,1日で約1.0~1.5L出るとされています.尿量と変わりません.唾液には,刺激唾液と安静時唾液があります.食事や口腔ケア時の刺激によって分泌される唾液が刺激唾液です.それ以外の時に口を潤している唾液が安静時唾液です.安静時に口腔内に唾液が分泌されても,通常は反射的に口唇を閉鎖して嚥下していますが,機能低下した場合にはダラダラと流れることになります.審美的な問題は大きく,また会話時にはズルズルという音が言葉に混じるために社会生活は著しく障害されます.

口腔装置治療-Lip Plate他の特徴

言語治療の効果が増強されます

左列上下は総義歯を入れている状態,右列は外した状態です.前歯による抵抗がないと口唇は口腔内に入ります.

Lip plateを口腔前庭に入れることで,口唇閉鎖のための筋群に負荷を与えることになります.その理由は,右図に示すように,口唇は閉鎖運動をすると,口腔内に引き込まれることから,口唇閉鎖運動するだけで閉鎖する筋肉は鍛えられます.

さらに,口腔前庭にプレートが入り込むことで口唇粘膜のセンサーには接触刺激が伝わることで,口唇が閉鎖した感覚がより鮮明になります.

その結果,口唇閉鎖のために行う筋機能訓練の効果が高まります.

口から唾液や食物がこぼれなくなります

口唇閉鎖機能の不全によって食事の送り込みが障害されたり,唾液が口から常時こぼれる場合,口唇プレートは,口唇感覚の問題と閉鎖筋群の問題を解決することができます.

右のグラフは,口腔前庭に挿入したプレートの厚みを増やした際の,厚みと口唇閉鎖するための筋肉の活動を示したものです.厚みが大きくなると筋活動も大きくなっています.すなわち,プレートの厚みを調整することで口唇閉鎖機能を賦活することができます.

Lip Plate治療の流れ

Lip Plate(口唇プレート)には,症状の応じていくつかのタイプがあります.どのタイプをどのように使うかは口唇閉鎖機能の評価が必要です.まず評価してから治療開始になります.

お問合せ

メール(touch_clinic@office.eonet.ne.jp), お電話(072-743-9063),FAX(072-7421-0448),フォームにてご連絡ください.

お問い合わせをいただきましたら,可及的早期に当方よりご連絡いたします.この段階でお困りのことの大まかに把握して,来所いただくアポイントメントを採らせていただきます.

初回来院時

初回の来院にて,問診,視診,触診等ならびに実際に作業を行って頂き,閉鎖機能の障害の確定診断を行います.言葉の問題の場合には,専属の言語聴覚士による評価も併せて行います.

この際,現在の主治医の先生,リハビリテーション担当者さんからのお手紙がありますと助かります.初回での診察で決定できる場合には,初診時にご契約いただいても構いません.後日にお返事をいただいてもかまいません.

プレート治療開始-作成

プレート作成のための方から作った模型とプレートのプロトタイプ(試作)です

評価結果によりプレートが必要な場合には,お口の型採り(印象採得と言います)を行い,プレートの作成過程に入ります.過程の中で再度診察が必要な場合には,ご連絡申し上げるか,お住いの場所によっては当方からお伺いします.

プレートの完成

プレートが完成しましたら,ご連絡いたしますので,受診していただきます.その際にプレートの調節を行います.

プレートの厚みが機能向上に効果があるかの厚みの調整を行っています.

複数の厚みのプレートを組み合わせることでより効果的な装置にしていきます.

プレート完成後の経過観察とリハビリテーション

プレート完成後は定期的にリハビリテーションをうけていただくか担当のリハビリテーション職の方と情報交換しながら機能回復を行っていきます.

プレートは完成後のままではなく調整が必要です.この調整には,機能の回復に応じて装置を撤去できるかの評価も入っていますので,定期的な受診をしていただきます.定期的に課題をお渡しいたします.

口腔内装置治療の料金表

口腔前庭型プレート+訓練プログラム

128,000円

咬合床型プレート+訓練プログラム 120,000円

口腔の状態や機能障害の程度によりプレート完成までに要する期間や料金は変わります.基本的には,装置治療の料金は,完成までに必要な口腔の型採り,研究模型作成,設計,作成,仮装着,装着後の調整までの料金,初期訓練プログラムの構成と提供,等をすべて含んだ料金です.

口腔前庭型プレート
咬合床型プレート

他の口腔装置

当センターでは,他にも,様々な口腔機能障害に対する口腔装置を提供しています.

以下にそれらの口腔装置の一部の例を,適応症と併せて提示いたします.

ご質問やお問い合わせをいただけますと,詳しくご説明させていただきます.

Lip Plate
(口唇プレート)

口唇閉鎖するための力が小さくなった場合に用いるプレートです.厚みを段階的に高めることで機能を賦活します.

Castillo-Morales床装置
(CM床)

舌の左右・上下運動の力が
弱い方用のCM床装置の変法です.舌機能のための
他の装置があります.

舌誘導装置

舌の前方運動が障害されている場合のプレートです

口唇プレートを利用された事例

下顎歯肉腫瘍術後の口唇閉鎖不全と経口摂取障害を改善してほしい

愛知県薬局経営者 SKさん(男性 65歳)

口唇閉鎖を試みるもできていません.

某病院にて下顎歯肉腫瘍切除術ならびに再建術を受け,術後に主治医による嚥下訓練が開始されましたが嚥下は不可能でした.栄養チューブ(NGチューブ)を留置した状態で退院しましたが,口唇の閉鎖が不十分で唾液の誤嚥と口裂よりの流涎が著明で,退院後も店頭に立つことができず,日常生活が障害されていました.

口唇閉鎖の改善のために,口唇閉鎖補助装置(上記の咬合床型)を作成し,装着開始直後から訓練を開始し,10日後に口唇閉鎖は可能となりました.

口唇閉鎖が可能になり,
嚥下障害は改善され,流涎も見られなくなりました.

側方から見ても閉鎖できているのが判ります

いかがでしょうか。

このように、当センターでの口唇プレートを初めとした様々な口腔装置を用いることで,音声言語障害や摂食嚥下障害の原因である口唇閉鎖機能や舌機能の改善が期待できます.もちろん,装置を装着するだけでは良い結果を得ることは困難であり,リハビリテーションが必要です.現在の担当されておらる専門職と当方の訓練士との連携により,訓練効果を増強してまいります.

口腔(内)装置治療ならびに口腔機能療法に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。

最後まで読んでいただき,有り難うございました.

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口腔機能リハビリテ-ション(口腔装置治療・口腔機能療法)
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